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ハザードとリスクの理解:柏の葉学園のアプローチ

「ハザード」と「リスク」を考える職員勉強会

柏の葉学園では、職員が月ごとに担当を持ち、支援について学び合う勉強会を行っています。

今回のテーマは「ハザードとリスク」。

どちらも「危険」という意味に見えますが、実は少し違います。

「ハザード」とは、人にけがや損害を与える可能性をもつ物や状況のこと。例えば、刃物、段差、壊れた遊具、濡れた床などが挙げられます。

一方、「リスク」とは、そのハザードによって実際に事故が起こる可能性と、起きた場合の影響の大きさを合わせて考えるものです。

同じハサミを使う場面でも、年齢や経験、手先の動き、使う場所、職員の見守り方によってリスクは変わります。

つまり、ハザードがあるから、ただちにすべて危険というわけではありません。大切なのは、その子と環境の組み合わせを見て、どの程度のリスクがあるのかを考えることです。

「危ないから、やらせない」でよいのか

子どもたちは、遊びや生活の中でさまざまなことに挑戦します。

少し高い場所に登る。
ハサミで紙を切る。
公園を走る。
ボールを投げる。
友達と一緒に道具を使う。

そこには、小さなリスクがあります。

では、事故を防ぐために、すべて禁止すればよいのでしょうか。

確かに、大きな事故につながる危険は取り除かなければなりません。しかし、小さな失敗まで大人が先回りして取り除いてしまうと、子どもが自分で危険に気づき、考え、行動を調整する機会も失われてしまいます。

「転ばぬ先の杖」も、あまりたくさん並べすぎると、今度は歩く場所がなくなってしまいます。

守ることと、挑戦させること。
安全と成長。

その間で、私たちは毎日考えています。

子どもが悪いのではなく、組み合わせを見る

勉強会では、子どもの行動や特性も、環境との組み合わせによっては危険につながる可能性があることを確認しました。

例えば、興味をもった物へすぐに手が伸びる、思いつくと走り出す、周囲が見えにくくなる――。

しかし、それを単に「危険な子」と捉えるのは違います。

物の置き場所は適切だったか。
活動前の説明は分かりやすかったか。
本人の力に合った環境だったか。
職員の立ち位置や役割分担は十分だったか。

子どもだけに原因を求めるのではなく、環境や大人の関わり方も含めて考える。それが、安全管理の大切な視点です。

柏の葉学園が大切にする「安全」

柏の葉学園が目指しているのは、子どもたちを危険から遠ざけるだけの支援ではありません。

命や身体に関わる重大なハザードは、確実に取り除く。
予測できるリスクには、環境調整や見守りで備える。
そのうえで、本人の力に合った小さな挑戦の機会は残す。

できそうなことまで大人が代わりに行うのではなく、子どもが自分で試せるように準備する。そして、困ったときには支えられる距離で見守る。

安全とは、何もさせないことではありません。

子どもが安心して挑戦し、失敗から学び、自分で身を守る力を育てられる環境をつくることです。

見守るためには、学び続ける

同じ場所、同じ遊び、同じ道具であっても、子どもによって必要な支援は異なります。また、昨日できなかったことが、今日はできるようになることもあります。

だからこそ、支援に「これで完成」はありません。

私たちは、日々の小さな出来事を振り返り、「何がハザードだったのか」「どのようなリスクがあったのか」「次はどう支援するのか」を職員同士で話し合います。

子どもたちの命と権利を守りながら、育つ力まで奪わないために。

危険をただ遠ざけるのではなく、危険と上手につき合う力を育てる。

それが、柏の葉学園の考える安全な支援です。