三つのトマト
赤く色づいたトマトが三つ。
子どもたちの前に並べられたその姿は、まるで宝物のようでした。

春に植えた小さな苗。
毎日欠かさず世話をしたわけでも・・・ありません。
水やりを忘れそうになる日もあれば、
「まだできないの?」と待ちきれない日もありました。
それでも植物は少しずつ成長します。
気がつくと緑色だった実は赤くなり、手のひらに収まる立派なトマトになっていました。
収穫の瞬間、子どもたちの目は自然と輝きます。
「食べたい!」
その声に応えるように、三つのトマトはみんなで分けることになりました。
一人分はほんのひとかけら。
けれど、そのひとかけらを口に運ぶ表情は真剣そのものです。
「皮がかたーい。」
「おいしい。」
「なんかいつものトマトと違う。」
そんな感想が次々と聞こえてきました。
自分で育てたものを食べる。
それは単に野菜を口にすることとは少し違います。
土に触れ、水をあげ、成長を待ち、収穫し、味わう。
そのすべての過程があるからこそ、一口の重みが変わるのでしょう。
三つのトマトは、あっという間になくなりました。
けれど子どもたちの心の中には、きっともう少し長く残るはずです。
「育てると、おいしい。」
そんな小さな発見を。
次は何を育てようか。
子どもたちの楽しそうな相談は、もう始まっています・・・。