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ぼくは泥だんご

こんにちは。

ぼくは泥だんごです。

ただの土じゃありません。

泥だんごです。

さっきまで地面の中にいました。

誰にも気づかれず、

踏まれたり、

蹴られたりしながら過ごしていました。

ところが今日、

小さな手がぼくを見つけました。

「これで作ろう!」

そう言って集められ、

水をかけられ、

ギュッギュッと握られました。

正直に言います。

最初はひどいものでした。

ボロボロ。

グチャグチャ。

丸くなる気配もありません。

でも、その子はあきらめませんでした。

崩れても作り直し。

割れても作り直し。

手も服も泥だらけです。

それでも、

何度も何度も丸めてくれました。

そして気がつくと、

ぼくはこんなに立派な泥だんごになっていました。

大人の人は言うかもしれません。

「ただの泥だんごだね。」

でも違います。

ぼくの中には、

その子の時間が入っています。

工夫が入っています。

失敗が入っています。

頑張りが入っています。

だから、

ぼくはただの泥だんごではありません。

その子の挑戦のかたまりです。

ピカピカの宝石には負けるかもしれません。

でも、

世界中を探しても、

まったく同じ泥だんごはありません。

だって、

ぼくはあの子が作った、

世界にひとつだけの作品だからです。

今日もぼくは誇らしい気持ちで、

小さな手のひらの上にいます。

「見て!」

という声と一緒に。

そして、もし話せるなら、

こう言いたいのです。

「ありがとう。

あきらめずに作ってくれて。」

泥だんごのぼくは知っています。

立派なものは、

最初から立派だったわけではないことを。