君子は本を務む。本立ちて道生ず。

ふくろう先生のひとりごと
最近、子育てについて相談を受けていると、こんな言葉をよく耳にします。
「どう褒めたら自己肯定感が上がりますか?」
「集中力をつけるにはどうしたらいいですか?」
「発達を伸ばす方法を教えてください。」
どれもお母さんたちにとっては切実な質問です。。
しかし、私は時々こんなことを考えます。
その前に、もっと大切なことはないだろうか。
中国の古い書物『論語』にこんな言葉があります。
「君子は本を務む。本立ちて道生ず。」
読み方は「くんしは もとを つとむ。もと たちて みち しょうず。」
意味は「立派な人はまず根本を大切にする。
根本がしっかりすれば、進むべき道は自然と見えてくる。」
木を育てる時を想像してみてください。
葉の色が悪い。
枝の伸び方が気になる。
実がならない。
そんな時、葉っぱを磨いたり、枝先ばかりを眺めたりしても木は元気になりません。
大切なのは根です。土です。水です。
見えない部分です。
子育ても同じです。
勉強の前に生活。
生活の前に親子関係。
親子関係の前に家庭の安心感。
これらが根っこの部分です。
根が弱ければ、どんなに立派な教育方法を試しても長続きしません。
逆に根がしっかりしていれば、多少回り道をしても子どもは育っていきます。
現代は情報があふれています。
自己肯定感。非認知能力。個性尊重。主体性。…
どれも大切な言葉です。
しかし、言葉だけを追いかけていると、本来見るべきものを見失うことがあります。
子どもはこれらの言葉で育つのではありません。
毎日の暮らしの中で育ちます。
家族との会話で育ちます。
「おはよう」
「いってらっしゃい」
「おかえり」
そんな何気ない積み重ねの中で育っていきます。
子育てに迷った時は、枝葉ではなく根っこを見てみてください。
勉強ができるか?運動が得意か?……それも大切ですが、
でも、その前に
安心して眠れているだろうか。
家族で笑えているだろうか。
挨拶ができているだろうか。
人を大切にできているだろうか。
そんな根っこの部分を見つめてみてください。
種は急いでも芽を出しません。
根を張る時間が必要です。
だから焦らなくて大丈夫。
まずは根を育てること。
そうすれば、いつか必ずその子らしい花が咲きます。
君子は本を務む。本立ちて道生ず。
子育てもまた、根本を大切にすることから始まるのだと思います。