Skip to main content

癇癪について「保健体育」の教科書から考えてみる

こんにちは。
柏の葉学園グループです。

学園では子育て!発達や学習の凸凹!非行!の相談を随時受けつけています。

学園では子育てに関する相談や発達や学習に関する相談等を随時受けつけています。

ご相談窓口 TEL:04-7192-7738

ここ最近の相談で、一番多く聞かれたキーワード「切り替え」「癇癪」です。


「切り替えができなくて癇癪を起してしまう」という行動について保健体育の教科書を参考に考えていきたいと思います。

なんで保健体育の教科書か?というと・・・
柏の葉学園グループは星槎国際高等学校の付属校のため、高校の授業がとても身近であり教科書も手元にあり、教科書の内容がとても参考になるからです!!
(現代高等保健体育改訂版 大修館書店)

まずは「欲求」について勉強してみたいと思います。

私たちは様々な欲求があります。
甘いものが食べたい、ゲームが欲しい、お友達と遊びたい、洋服が欲しい、テーマパークに行きたい、もっと寝たい、お友達に好かれたい、認められたい・・・。

これら欲求を整理すると下記の2つに分けることができます。

■生理的欲求(一次的欲求)
 生まれながらにもっている本能的な欲求で、個体の生命維持と生殖に係る欲求。

■心理的欲求(二次的欲求)
 成長の過程で発達していく欲求で、独立した個人としての自分を維持していく自我欲求と、個人が社会の中で生活のに必要な社会的欲求がある。

私たちの中に欲求がおこると、欲求を満たすための行動が促されます。
その結果、欲求が満たされれば快い情動が得られ心の安定が得られます。

しかし私たちの日常生活では常に欲求が満たされることはありません。
いや、満たされないことの方が多くあるかと思います。

この、欲求が満たされない状況が欲求不満

また、いくつかの欲求が同時におこり、どちらの欲求を優先するかと思い悩むことが葛藤

この欲求不満葛藤状態を解消し心の安定を保とうとする無意識の働きを適応機制といいます。

どんな適応機制があるかというと👇

  • 補 償 ・・・ 自分の不得意な面を他の面で補おうとすること。
  • 昇 華 ・・・ おさえられた欲求を学問・スポーツ・芸術などに向けること。
  • 同一化 ・・・ 自分にない名声や権威に自分を近づけることによって、自分を高めようとすること。
  • 合理化 ・・・ もっともらしい理由をつけて自分を正当化すること。
  • 逃 避 ・・・ 苦しくつらい現実から一時的に逃れること。
  • 抑 圧 ・・・ 現実困難な欲求や苦痛な体験などを心の中におさえこんで忘れようとすること。
  • 退 行 ・・・ 耐え難い事態に直面した時、子どものようにふるまって自分を守ろうとすること。
  • 攻 撃 ・・・ 他人やものを傷つけたり、規則を破ったりして、欲求不満を解消しようとすること。

自分の思っていたような結果にならなかったとき「体調が悪かったから」と理由をつけたり・・・、
体育の授業のマラソンが嫌だから「熱がある」と嘘をついて学校を休んでしまったり・・・、

みなさんも思い当たることがあると思います。

上記のような適応機制があります。
私たちは日常生活の中でさまざまな適応機制を用いて、気分を変えたり!気晴らししたり!して心の安定を保ち生活しています。

では、今回の目的「切り替えができなくて癇癪を起してしまう」行動はどんな状況なのでしょうか?
一緒に考えてみましょう。

まず「切り替えができなくて」という状況は、現在取り組んでいる事柄が楽しい!! が大前提にあると想像されます。
しかし、楽しいことがらを止めなければならない事態になったが「まだまだ続けたい!」という欲求がおこった!!というところでしょうか。

では、上記のような状況になった時、子どもたちはどうするのが自然なのでしょうか。
「まだまだ続けたい!」という欲求が満たされない欲求不満の状態です!

そう、子どもたちはこの欲求不満の状態を解消しよう無意識に適応機制を行います。

では、どの適応機制を用いるのでしょうか?

子どもたちが無意識に選択するのは「退行:駄々をこねる・泣きさけぶ・暴れる等々」「攻撃:他人やものに当たる・他害行為・自傷行為等々」です。
(他の適応機制はある程度経験がないと用いることが困難だからです。経験が少なく、未熟な子どもたちが無意識に行うということを考えると退行攻撃になるかと思います。)

いわゆるこれが「癇癪」です。
ここで注意が必要なのは「パニック」と「癇癪」は違うというところです。
話が少々それますが整理しておきましょう。

♦パニックとは・・・個人または集団において突発的な不安や恐怖(ストレス)による混乱した心理状態、またそれに伴う錯乱した行動を指す。

Wikipedia

♦錯乱とは・・・入り乱れて秩序がなくなること。ごちゃごちゃになること。特に、感情思考混乱すること。

goo辞書

♦癇癪とは・・・ちょっとしたことにも感情を抑えきれないで激しく怒り出すこと。

goo辞書

こう考えると、「癇癪」は子どもたちが無意識のうちに心の安定を保つために行う適応機制です。
ということは、「切り替えができなくて癇癪を起してしまう」という行動は、発達や学習の凸凹や障害等が原因ではなく、人間として生まれてきた誰もがもっている「普通の行動」とも考えられるのではないでしょうか?

で、ここからが大切なところです。
「じゃぁ、普通だからこのままでいいのか。このままいてもいずれは何とかなるのか。」と駄々をこねる!泣きさけぶ!暴れる!他人やものに当たる!他害行為!自傷行為!容認されてはいけません。

様々な経験を積んでどの場面でどの適応機制を用いていくのか?と、よりよい方法を選択できるようになること!が必要です。

しかし、この適応機制も一時的な解消方法です。それは、直面している欲求不満な状態が実際には、解決されたわけではないからです。

ですから、様々な体験から自分自身の許容を広げ、以前は欲求不満な状態になっていた状況でも欲求不満と感じない心の強さや経験を身につけていく!など、子どもたちそれぞれが本人に合った方法を探し続けることが大切なことなのだと思います。

私たちは一人で生きているわけではありません。日本社会のなかで人と人とが関わり合いながら生活をしています。自分の思い通りになることなんてほとんどないですからね。
子どもたちがよりよく生活をしていくためには、周囲の人たちのよりよい生活も守っていかなければなりません。
みんなが幸せに生活をするためには

「お互い様」の精神重要カギ

となることでしょう。

「切り替えができなくて癇癪を起してしまう」という悩みをお持ちのお父さんお母さん。上記内容が少しでも参考になれば嬉しく思います。

子育て!発達や学習に凸凹!非行!等の悩みお電話ください。
TEL:04-7192-7738